この大会では、選手たちが様々な形で多様性の尊重や差別反対などについて意思表示していることが話題になっています。 人種差別への抗議。カタールで移民労働者や性的マイノリティが抑圧されていることへの意義申し立て。イランでの抗議デモへの連帯…。 選手たちはどんなアクションで、何を訴えているのでしょうか。

【オーストラリア代表】「カタールでは自ら選んだ人を愛する自由がない」などと批判

カタールでは、移民労働者を取り巻く過酷な労働環境が問題視されており、ワールドカップ関連のスタジアム建設工事などでは、数千人の移民労働者が命を落としたと伝えられています。 また、同性愛も法律で禁じられており、死刑が科される可能性もあります。 その上で、カタール政府に移民労働者への「効果的な改善策」や「同性間の関係の合法化」を求めました。 「これらは全ての人に与えられるべき基本的権利であり、カタールにおける継続的な発展と2022年FIFAワールドカップの最後のホイッスルが吹かれた後もずっと続くレガシーを確実にするものだ」

【イングランド代表】グラウンドに片膝をつき、人種差別に抗議

試合前に片膝をつくのは、2020年にアメリカで起きた黒人男性が警官に暴行を受けて死亡した事件をきっかけに広まった「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命は大切だ)」への共感を示すことを意味します。 しかしイングランドプレミアリーグでは、これが何度も繰り返されるうち、形骸化していると言う声が選手から上がり、今では特定のタイミングに限って行われています。 サウスゲート監督は試合前日、「膝をつく行為を世界に向けてやることは、包括性が重要だと特に若者たちに知ってもらうために、力強い声明になると思います」と語っていました。

【ドイツ代表】右手で口を覆う仕草をして…「自分たちの姿勢を貫きます」

今大会では、ドイツを含む複数の欧州チームのキャプテンが、試合で虹色のハートマークに「One Love」と書かれた腕章を着用し、性的マイノリティへの差別撤廃を訴える予定でした。 しかし、FIFAは試合で腕章を着用した選手には警告を出すとして、許可しませんでした。 口をふさぐ仕草は、FIFAに「口を封じられた」という抗議の意を込めたもの。

【デンマーク代表】「喪を服す」の意味が込められた黒のユニフォーム

その意図について、ユニフォームを製作したスポーツブランド「ヒュンメル」はインスタグラムで、「何千人もの移民労働者の命を犠牲にした大会の最中に、私たちの存在を目立たせたくありません」としています。 また、黒のユニフォームには「喪に服す」という意味が込められており、命を落とした移民労働者たちへの敬意が示されています。 ヒュンメルによると、デンマーク代表が今後の試合で黒いユニフォームを着用する可能性があるということです。 イラン代表選手は11月21日、イングランドとの試合前に、自国の国歌斉唱を拒否しました。 イランで続いている大規模な抗議デモに連帯を示したものと見られています。 なお、イラン国営放送では、国歌斉唱の場面で中継がカットされ、別の映像に切り替えられました。

FIFA                   W                - 50FIFA                   W                - 86FIFA                   W                - 87FIFA                   W                - 66FIFA                   W                - 84FIFA                   W                - 37FIFA                   W                - 68FIFA                   W                - 55