そんなミャンマー人ジャーナリストらを支援するためのウェブサイトが今月、日本で立ち上がった。 サイトを通して、ジャーナリストらに取材のための資金を援助をしたり、映像作品を観たりすることができる。 ミャンマーで起きていることを記録し伝えようとするジャーナリストや映像作家ら、そしてミャンマー現地の人たちの「声」を伝えるという意味でつけられた。 発起人は、ジャーナリストの北角裕樹さんと、ドキュメンタリー作家の久保田徹さん。2人はそれぞれ、2021年と2022年にミャンマーで取材中に逮捕され、インセイン刑務所に収監されていた。 サイトは、久保田さんが所属するドキュメンタリー制作者グループ「DocuMeme」の活動の一環として立ち上げた。 現在サイト上では、3人のミャンマー人映像作家やジャーナリストによる映像作品が公開されている。 久保田徹さんはBuzzFeed Newsの取材に対し「掲載している作品をぜひ見てほしい」「作品を、どんな人がどういった思いで作っているのかを知ってほしい」と話した。 「国内に残っているジャーナリストや映像作家たちは、厳しい弾圧があるため、ほぼ地下に潜って活動をしていて、発信も難しい状況です。何か発信できたとしても匿名です」 「多くの映像作家らは隣国に逃げ、潜伏しています。頭の上にカメラとパソコンをのせて川を泳いで逃げた制作者もいました」 「しかし隣接している国々はたいてい難民条約に加入していないため、彼らを保護せず、不法移民として扱います。仮に強制送還されたら、特にジャーナリストなどはすぐに投獄されたり、殺されたりする可能性が高い状況です」 命からがら隣国に逃れた後も、非常に不安定な生活が続いている。その中でもミャンマーの状況を伝えようと発信しているという。 そのようなジャーナリストらをサポートするため、寄付や作品紹介ができるサイトをつくった。 また、刑務所内で綴っていた手記には「ミャンマー人と協力して、映像コミュニティを作れないだろうか」とのアイディアを書いてあり、今回のサイト開設で具現化した形となった。 ジャーナリストの北角さんはサイト開設にあたり、このようにコメントを寄せている。 「ミャンマーで起きてることを記録し、情報発信をしている友人たちが苦境にあります。メディアにかかわる人間として、他人事ではないという思いでプロジェクトを立ち上げました」 「ミャンマーのクリエイターたちと一緒に活動することで、この国に平和と民主主義が戻る一助になればと思います」 今後は、サポートするジャーナリスト・映像作家も増やしていき、日本語字幕をつけた映像作品もさらに公開していく。 サイトを通して集まった寄付で、新規の作品制作も依頼していく予定だ。 寄付はオンライン決済を使って1000円から支援できる。