LGBTの子ども・若者の居場所を作る一般社団法人「にじーず」代表の遠藤まめたさんに聞きました。 アウティングとは、ある人がLGBTだということを他の人が周りに勝手に話してしまうことです。 まず前提として、この社会にはLGBTに対する差別があります。 いじめられたり、自分の家族からいきなり拒絶されたりしている人もいます。 将来就きたい仕事につけないんじゃないかと不安に思うなど、当事者は色々な気持ちを抱えながら生きています。 そんな中で、「誰が自分のことを知っているか」ということはとても大切です。 その範囲が分からなくなると、自分のことを誰がどう思っているのか分からなくて不安だし、何か悪いことが起きるんじゃないかと考えてしまいます。 🐼:アウティングは絶対にしてはいけないと聞きます。 その通りです。カミングアウトは、信頼している相手にすることが多いので、アウティングが起こると、信頼している人が信じられなくなり、人間不信になることもあります。 実際にアウティングで、自分のことを知った人から避けられたりするということもあります。 アウティングをする人は悪気がないこともありますが、「差別なんてないよ。みんな知っても大丈夫だよ」「別にたいしたことないよ」とその人が思っても、残念ながらまだこの社会はそうじゃないことが多いです。 🐼:「アウティングは命に関わること」ともよく言いますよね。 はい。実際に2015年には、一橋大学の大学院に通っていた学生さんが、自分がゲイだということを友人に話したら、それをLINEグループで共有され、それがきっかけですごく悩み、死亡した事件がありました。 アウティングをした側はそこまで深刻に思わずに話すのかもしれないんですが、当事者にとっては昨日今日で悩んでいる話ではなくて、すごく長い間悩んでいる人も多いです。 それを勝手に知られるということはとても衝撃的で、誰がそのことを知っていて、どう思っているか分からないという状態はとても怖いです。とても悩み、追い詰められてしまいます。 人によって感じ方は違います。周りの人に話しても大丈夫だよっていう人もいれば、絶対に周りに言わないでほしい人もいます。 まずはアウティングという言葉や、それがどんなものなのかということを知っていてほしいです。その上で、どこまで知られていいのかは、その人にきちんと聞いて、本人の意思を大切にしてください。 クラスのみんなが知っていても、自分の親だけには絶対に知られたくないと思っている人もいるかもしれませんしね。 🐼:アウティングは絶対にいけませんね。その人の意思を聞いて、他の人には勝手に言わないことが大切だと思いました。他にはどのようなことに気を付けるべきですか? 周りの人からカミングアウトをされた時に、言われた側が悩んでしまって、どうしていいか分からずに他の人に喋ってしまうということも結構あるようです。 そんな時には、LGBTのことについて相談できる電話窓口やLINE相談があるので、そこに相談してみるのが良いと思います。 友達からカミングアウトされてびっくりして泣いてしまう人の話もときどき聞きます。悩みごとを相談されたときは、言われる側も悩んだりすると思います。そのような相談窓口は、誰でも相談することができます。 (サムネイル:getty image)

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