生理不順やPMSなど妊娠以外にも様々な理由で行く産婦人科。 初めて行く時には、どんな検査をするか、どこに行けばいいのかわからず不安になる方も多いはず。 大学生の筆者の友人の中にも「実際に行ってみたところ先生と合わなかった」「先生からお説教された」など話す人も……。 若い世代の患者さんを多く診ている、丸の内の森レディースクリニックの院長、宋美玄先生にお話を聞きました。 行く目的によって異なりますね。 患者さんは、ざっくり「産婦人科」とまとめて認識していると思いますが、実は細かく見ると、病院ごとに専門が細分化され、得意分野があります。 例えば、地方でお産をメインに取り扱っている病院に低用量ピルをもらいに行ったところ、あんまり丁寧に話を聞いてもらえなかった……なんて話はそれなりに聞きます。 なので、自分の知りたいことや重点的に診てほしい症状を得意としている先生を選ぶのがよいと思います。 ーーなるほど…。それはどうやって調べればいいんでしょうか? 一番簡単なのは、ホームページをよく見ることです。 どんな診療を大切にしているのかをチェックすることができます。 診療方針にどんなことが書かれているか、具体的にどんな症状に対応しているか。 全ての診療を同じ温度感でやっている産婦人科は、そうそうありません。自分が診てほしいことについて力を入れているクリニックなのかを調べてもらうと心配が少ないと思います。 まずは、住んでいるところから近い産婦人科を地名などで検索してみて、目的にあった治療に重きを置いているのかどうかをチェックしてみてください。 ホームページが存在しない、もしくは力を入れていない病院は、インターネットで情報を得る若い世代を主な対象としていないとも考えられます。 ーー診療を受ける時はどんな心構えでいけばよいですか?どんな治療があるかなど、なるべく調べていった方がいいのでしょうか? 事前に調べて「この治療を受けたい」と希望がある場合もあると思いますが、まずは「専門家に相談に行く」ぐらいの感覚でいるのがいいかと思います。 「せっかく調べていったのに、私の希望を聞いてくれなかった」わけではなく、そちらを選んだ理由や背景があると思うので聞いてみてほしいです。 事前に調べておくとよいのは、すべての病院が取り扱っているわけではない治療方法に興味がある場合ですね。 例えば、過多月経や月経困難症の治療に使われる「ミレーナ」という子宮内につける器具は、取り扱っていない病院もあるので、ホームページできちんと書かれているところに行くといいと思います。 いずれにせよ、診察を受けた上で、自分に合ったものを一緒に選ぶ感覚でいる方が、満足度は下がりにくいかも。
ネットの口コミってどうなの…?
ーー確かにそうですね。ネットには病院の口コミサイトやGoogleでのコメントなどありますが、宋先生はどこで口コミをチェックするのがいいと思われますか? インターネットの時点で誰が書いたものかわからないからなあ…(笑) 印象や対応がよくないと感じた時って書き込むモチベーションが沸いても、良い場合には、予約が取れなくなったら困る….などの理由で書き込まないこともありますよね。 なので、知り合いの先生でも、「え、なんでこの人が」って方が悪いコメントをたくさん書かれていることもあります。 先ほど言った通り、自分が求めている診療をメインに行なっている産婦人科なのかをホームページでチェックするのがいいですね。 ですが、地域によっては本当に選択肢が少ない場合もあると思います。 情報が少ない場合には特に、自分の知っている人たちからの信頼できるリアルな口コミが、産婦人科選びには大事になってくると思うな。 ーーその人がどんな人かも知っている人だったら、口コミの信憑性もありますもんね。では実際に産婦人科に来院する時に準備しておくことはありますか? この時期にこんな症状があったとか、生理の周期なども管理できるアプリがあるので、その記録を持ってきてもらえるといいですね。
病院を決めた!診察を受ける際に準備することは…?
ーー先生の診察がスムーズになるように伝えたほうがいいことなどはありますか?どんな風に痛い?って聞かれた時は、擬音で答えてもいいんでしょうか…。 擬音は、結構大事だと思います! 擬音でも比喩でも大丈夫ですが、キリキリ痛むのとズキズキ痛むのとでは全然違いますよね。 他には、痛む時間や歩いたら痛くなるとか、どんなタイミングで痛くなるのかも知りたいですね。 痛みの持続時間とか、場所、タイミングは伝えた方がスムーズだと思います。
診察って何するかわからなくて心配….
ーー産婦人科ってどんなことをするのかわからなくて怖いという声もあります。初めて診察する場合、どんな検査がありうるのでしょうか? まず、よっぽどデリケートゾーンがかゆいとか、腫れているとかでない限り、性行為の経験のない方に内診台に乗ってもらう可能性は低いと思います。 その上で、検査が必要な場合には、専用の椅子である内診台に座った状態で診察を受ける「内診」を受けることになります。 内診では、子宮や卵巣の状態を調べるために、膣などの状態を医師が直接みたり、触ったり、器具を使って調べたりします。 内診に抵抗のある方はとても多いので、もちろん無理強いはせず、患者さんに選んでもらっています。 ーーなるほど。内診台ではどんな検査を行いますか?また、性行為の経験のある方は内診台での検査を行う場合が多いのでしょうか? 生理痛や下着についているおりものに異変がある場合には、子宮や卵巣を検査します。 その際に、やはり「経膣エコー」という骨盤の中に直接、超音波プローブを入れて調べるエコー検査が最も得られる情報量が多いので、診させてもらうのが1番早いですね。 なので、性行為の経験のある方の場合には、経膣超音波での検査を行う可能性は高いです。 ただ、私のクリニックでは、性行為の経験のない方で膣や直腸からの検査に抵抗のある方には、お腹の上からの診察も行っており、そちらの方が多いです。 ですが、やはりお腹の上からだと見づらくて、得られる情報量も少なく不十分な場合もあります。 患者さん自身の不調の度合いによっては、きちんと内診・経膣超音波、あるいは経直腸エコーを受けてもらった方がいいです。 クスコなど金属の器具を使用した検査を受けた方の実際の感想で、「粘膜を引っ張られてピリピリする感じの痛み」という声がありました。 膣の入口部分で痛みを感じても、奥の方になると異物感はありつつも、痛みは少ない印象です。 逆に肛門の方から超音波の器具を入れる検査は、器具自体がお通じよりも細いため、入口で痛みは感じにくいです。奥の方でジンジン痛むように感じるという声もあります。 エコー検査の器具は金属ではないため、金属のものと比較すると違和感は少ないと思います。 リラックスして力を抜いて検査を受けることで、身体の強張りがなくなって痛みが軽減しますよ。
不安や疑問はその場で伝えよう
ーー内診って必要なんですか?とかお医者さんに聞いてもいいものなんですか? もちろん聞いても大丈夫です! お医者さんにその場で伝えにくい場合には、診察前の時点や問診票を記入する時点で、あらかじめ看護師さんに伝えるのもいいと思います。 器具にも様々なサイズがあるので、ジェルの量やその人に合わせた器具のサイズなどできるだけ痛みを和らげる工夫をすることはできます。 ーー不調を感じる時ってどの程度だったら産婦人科に行ってみた方がいいのでしょうか?症状があまりない時点でも来院していいものでしょうか。 もちろんです。何か明確な症状がないと来てはいけない、来ても意味がないということはないです。 不調を感じた時点で、どんな状態なのか、いつから感じているのか、擬音なども使いながら医師に話してみてください。 ーー内診のことなど不安だったことが解消されました!ありがとうございました。 何か身体に不調があった時には、専門家に相談するような感覚で来院するのが大切。 自分の悩みに合わせて産婦人科を調べてみてください🔍 情報や質問も気軽にお寄せください🙌 友達登録をよろしくお願いします。