子どもとの接し方を学ぶため、保育士資格まで取得したというこだわり派だ。 育児休業から仕事に復帰した後も、「もっと子育てに時間を」と考え、とことん子どもと関わるための工夫を凝らしている。 BuzzFeedは、共働き世帯だからこその仕事や妻への思いを聞いた。 夕方に赤ちゃんが突然泣き出す「黄昏泣き」をしたときには、抱っこ紐で抱っこしながら、家の周りをぐるぐるぐるぐると歩いたことを思い出します。 あと、抱っこ紐を使うと、手が暇になるじゃないですか。夜中にパソコンを開いて、ゆらゆらと揺れながら論文を書いた日もありました。 毎日、同じようなことの繰り返し。ですが、繰り返すからこそ、 成長があるとも思いました。 ーー子育ては、試行錯誤の連続だと思います。研究職ならではの楽しさを感じていたのでしょうか? すごく楽しかったですね。 どうしたら抱っこが心地いいと思ってもらえるんだろうとか、何をすればいわゆる「背中スイッチ(抱っこで寝かしつけた赤ちゃんを布団やベッドの上に寝かせた途端、起きてしまうこと)」がオンにならないんだろうかとか、たくさん考えました。 私は、1子目のときに2週間、2子目のときに3ヶ月半の育休を取得しました。 今では法律が変わったこともあり、育休を取りやすくなりました。 ですが、当時、長期で取得する男性は、まだまだ少なかった。「仕事が忙しく、自分が抜けても大丈夫だろうか?」と心配する気持ちが理由にあると思います。 私は、自分が抜けてもしっかりと会社に対応してもらえるよう、2子目のとき、妻が安定期に入る少し前には直属の上長に育休について伝えました。 安定期に入ったら、もう少し上のレイヤーに伝えてもらうよう手はずを整えたんです。 育休に入る半年くらい前から「この時期は3ヶ月半の間いないから、人員の補充が必要だったら対応してください」と会社側に伝えておくべきだと考えました。 それで、会社が対応できずに後から何か言われたら、「それは会社の問題でしょ。ちゃんと伝えたんだから」と言えると思ったんです。 そうした事前のスケジュールの共有は、職場はもちろん、家庭でもしっかりしています。いつ出社日で、いつリモートワークの日なのか、とか。 いまでは、社内で育休を取得する男性社員も珍しくなくなってきました。 ーー仕事と子育ての両立のために、夫婦で工夫されていることはなんですか? 私たちは共働きで、2人の子どもを朝から晩まで保育園に預けています。だから、平日は子どもたちと短い時間しか関われません。 なので、平日でもできるだけ触れ合う時間を確保するために、週末に1週間分の夕食を夫婦でまとめて作り置きし、冷蔵しているんです。 でも、作り置きのおかげで、帰った後はすぐに子どもと関われるし、週末の料理の時間には子どもたちが手伝ってくれるんです。 やっぱり食品企業に勤めているので、食育はすごく大切だと思っています。 子どもは大切です。かと言って、「子どものため」と言い訳をして、自分を犠牲にするのは違うなって思っているんです。 子どもと関わる時間を作るために仕事を変える考えはなくて、家庭も仕事もどちらも充実させたい。 今後についてはわからないけれど、現状では今のやりがいのある仕事をあきらめるのは絶対に後悔すると思っているので。 同じように、妻にもあきらめてほしくない。 だから、子どもとしっかり向き合い、仕事も頑張る。そのための努力はするって決めているんです。 私は、「免疫」に関する機能性表示食品として日本で初めて消費者庁に受理された「iMUSE(イミューズ)」ブランドや「生茶」「午後の紅茶」などに使われる「プラズマ乳酸菌」の研究をずっとしています。 長男はプラズマ乳酸菌が入ったヨーグルトを、1歳の時から好きで食べているんです。 それなりの値段がするので、私たち親はイミューズではないのですが(笑) 「今日はイミューズある?」って聞かれたときには、「パパは、この中に入っている乳酸菌の研究をしてるんだよ」なんて話をしたこともあります。 そうすると「パパ、頑張ってね」って言ってくれるんです。 これからも、「これはパパの会社の商品なんだよ」「この商品は、パパが関わったことがあるんだよ」と伝えていきたいです。 携わって取得した特許や、発表した論文は、未来永劫残るものなので、いつか理解してくれたらうれしいですね。 やりたいことをしっかり持った、リーダーシップを取れるような人になってほしいです。誰かに頼られながら進めるものが、自分のやりたいことだったらいいなって思います。 そのためにも、子どもが「こうしたい」と意思を示してくれたことは、できる限り叶えてあげたいです。 親として、子どもをほしいと望んだ以上、積極的に関わり、将来についても真剣に考えてあげるのは義務だと思っているんです。 子どもは、生き物じゃないですか。リセットボタンなんてないですから、どの時期も大切なんです。 子育ては楽しいですよ。イライラもしますけど、本当に子どもたちは毎日笑わせてくれるので。 (前編はこちら) 39歳。キリンホールディングス株式会社キリン中央研究所主務。「プラズマ乳酸菌」の研究に従事。保育士の資格を持つ。 38歳の妻と4歳の息子、1歳の娘を育てている。これまで子どものために買った一番高いものは、ランニングバイク『ストライダー』。 共働き世帯は年々増加し、男性が家事と育児で主体的な役割を果たすことがますます重要になっています。 仕事と子育てを両立するための工夫を知り、子育てがよりポジティブなものとなるようにーー。 ご協力いただける企業の方は、担当記者までメール(kensuke.seya@buzzfeed.com)をお寄せください。

                                             - 91                                             - 96                                             - 6                                             - 44                                             - 45                                             - 11                                             - 5                                             - 76                                             - 16                                             - 15