BuzzFeed Japan Medicalが質問状を添えて取材を申し込んでいる両学会の理事長が9月6日、「個別の取材対応はしない」と取材に応じない旨を伝えてきた。 今後、理事会で話し合い、両学会のウェブサイトにそれぞれ何らかの声明を掲載するという。 取材申込書に添えた質問状では、提言を作成した経緯、議論に参加したメンバーと利益相反の有無、理事長に利益相反があることを伏せたまま提言を出したことへの見解、治験の最終報告まで待てなかった理由や分析手法についての学会の見解などを質していた。 秘書はBuzzFeedの取材に対し、「現在、感染症学会で批判に対する声明を作成中で、近々、ウェブサイトで公開する。時期は未定」と回答した。 感染症学会の理事の一人によると、最終的に提言内容は理事が目を通し、理事として承認したという。この理事も「責任を感じている」としている。 感染症学会の別の理事の一人、国立国際医療研究センターの国際感染症センター長大曲貴夫氏も、ゾコーバの治験調整医師の一人として治験に関わっている。さらに、ゾコーバの承認審査をしている厚労省の「薬事・食品衛生審議会 医薬品第二部会」の委員でもある。 大曲氏はBuzzFeedの取材申し込みに対し、「二重の意味で、現在審議中の案件については私は発言すべきではない」として回答しない旨を告げた。
化学療法学会は理事会で議論
日本化学療法学会の事務局によると、9月6日午前に松本理事長と事務局で話し合い、取材には答えないことを決めたという。 記者が送った質問状では、感染症学会への質問と同様の内容を質していた。 事務局によると、提言は理事会での議論を経て、感染症学会とも擦り合わせた上で作成した。 今後、理事会で議論の上、ウェブサイト上に提言への批判に対する説明を掲載する方針としているが、こちらも時期は未定だ。