WHOの必須医薬品に指定されており、世界約90カ国では処方箋なしで、薬局で購入することができる。 一方、日本では医師の処方箋が必要で、価格も海外より高く設定されていることから、アクセス改善を求める声が高まっていた。 2021年5月には、産婦人科医らでつくる市民団体「緊急避妊薬を薬局でプロジェクト」が市販薬化の要望を厚生労働省に提出。医師や薬剤師などの専門家が議論する検討会が、翌6月からスタートした。 今回、募集が始まったパブコメは、約1年半にわたる検討会で出された課題やその対策について、市民の声を広く募る形を取っている。 パブコメで寄せられた意見は再び検討会で議論され、最終的な検討結果にまとめられる予定だ。 市販薬化のニーズとしては「予期せぬ妊娠を防ぎたいという願いはリプロダクティブ・ヘルス・ライツの問題であり、女性にとっての権利、自己決定権、あるいは基本的人権に関わる問題である」などとする項目が掲げられた。 課題点としては、次のような項目が挙げられた。

年齢制限を設けるべきか本人確認の必要性やその方法妊娠の可能性などについて薬剤師が適切に判断できるか深夜帯の対応プライバシーの保護インターネットでの販売も含む「悪用」や「濫用」の懸念性教育が遅れているため、避妊に関する利用者側の理解が不十分であること手頃な価格で入手可能となるか販売後も含めた薬剤師と医師の連携性暴力被害があった場合に、必要な支援とどう繋ぐか

それぞれの課題について、検討会で提案された対策もリストアップされている。その多くでは、意見が割れている。 薬剤師が適切に対応できるかという点については、オンライン診療に伴う研修を修了した薬剤師が増えていることを指摘する声もあれば、従来の研修に加えて、さらに高度な研修が必要だという意見もあった。 また、性教育の遅れが市販薬化にどう関わるかについても、意見が割れた。 中学校で「妊娠の経過は取り扱わない」とする、学習指導要領のいわゆる「歯止め規定」を削除することを、市販薬化の「条件」とすべきという意見もあった。 その一方で、「教育の不足が全て解決しなければ 市販薬化できないということではなく、教育については市販薬化しながら引き続き改善していくものである」といった意見もあった。 「パブコメは当事者なき検討会に、当事者の声を反映する、最初で最後の機会です。投稿は匿名でも可能なので、一人でも多くの方にご参加いただきたいです」 「自分のからだは自分で決めたい、その権利が守られる社会を次世代に残せるよう、この機会にみんなで声を上げていきましょう」と呼びかけた。 パブリックコメントの募集は1月31日まで。詳細はこちらのページから。

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