優しかったはずの母は、電話口でそう怒鳴った――。
新型コロナウイルスを機に、疎遠になっていた田舎の母。ある時期から“怪しい動画”を送りつけてくるように。 「政府はコロナを使って我々をコントロールしようとしている!」 「コロナはある国によって意図的にバラまかれたもの」 「世界の真実に目覚めよ!」 YouTubeやSNSをきっかけに、彼女は反コロナ、反ワクチンを掲げる団体を信奉する「陰謀論者」になっていたのだ。
何度説得しても言葉は届かない。孤立していく母。Twitterでは同じような考え方の人とつながっているようだ。 壊れた親子関係は修復できるのか?母は、なぜ突拍子もない陰謀論を信じてしまったのか?
著者・ぺんたんさんの実際の体験をもとに、息子視点で描くセミフィクションのコミックエッセイ『母親を陰謀論で失った』(KADOKAWA)。 2月16日発売の本書から、第1話を掲載します。
※作中のマスクは省略しています。 ※本作品は実話に大幅な脚色を加えたフィクションです。作品に登場する人物名・団体名は架空のものです。