内閣府のまとめによると、都道府県議会で女性議員の比率が30%を超えているのは東京都のみ。2番目に高い京都府が22.0%、それ以外の45府県は20%未満となっている。 各都道府県の市区町村議会でみると、女性議員が20%以上を超えているのは4都府県のみだ。 では、どんなことが障壁となっているのか。地方議会議員を対象にした調査では、女性議員の48.9%が、立候補から選挙期間中までの課題として、「仕事や家庭生活(家事、育児、介護等)のため選挙運動とその準備にかける時間がない」を挙げた。 議員活動を行う上での課題としては、「専門性や経験の不足」(女性の58.8%)、「性別による差別やセクシュアルハラスメントを受けることがある」(同34.8%)、「議員活動と家庭生活との両立が難しい」(33.7%)などが挙げられた。 内閣府男女共同参画局の担当者は「政治分野における女性参画の拡大は急務。特に、地方議会は住民の生活に密着している課題を話し合う場。そこに生活者としての女性の目を反映させることは非常に重要であるとともに、国会における女性議員を増やすためにも、地方議会から女性議員の数を増やしていく必要があると考えています」と語る。 発起人の一人は、幼い子どもを育てながら、今夏の参院選に共和党から東京選挙区へ立候補した田村真菜さん(8月末で離党)。 田村さんは、都選挙管理委員会による立候補者向けの説明会で、選挙期間中に子どもを抱っこしたり、一緒に歩いたりするのは、未成年の選挙運動を禁止した公職選挙法違反にあたる可能性があると言われ、衝撃を受けた。 パートナーが出張などで不在のときや、どうしても子どもを預けることができない時は、どうすればーー。シングルマザーや実家に頼れない人だと、そもそも選挙に出ることも諦めないといけなくなるのではーー。 都選管は選挙後、「単に候補者やスタッフと一緒に子どもが同行すること自体は禁止されていない」とする見解を発表した。だが、これも子育てしながら選挙に挑戦する人が直面する多くの「壁」の一つにすぎない。 10月23日に予定しているキックオフイベントも、子どもの寝かしつけ後に参加できるようにと、夜10時から開催される。 同じくプロジェクト発起人の濱田真里さんはこれまでも、選挙や議会での活動中にハラスメントを受けた女性をサポートする活動を行ってきた。 濵田さんは「女性が議員になる上で、家事・育児と政治活動の両立が大きな課題となっています。政府が支援金を出すなど、女性がより立候補しやすくなる社会になればと願っている」と語った。 情報発信などを通じてU30世代と政治をつなぐ団体「NO YOUTH NO JAPAN」代表理事の能條桃子さんと、緊急避妊薬の市販薬化などを求めて活動してきた福田和子さんが、代表・副代表を務めている。 「FIFTYS PROJECT」では、立候補を検討している人を対象にした個別相談会や、選挙活動に必要なノウハウを共有する「選挙準備CAMP」などを開催し、SNSでの発信なども支援する。 プロジェクトを立ち上げた背景には「政治分野のジェンダーギャップを私たちの世代で解消をしたい」という強い思いがある。 しかし、それから75年経った2021年の衆院選で当選した女性は465人中45人と、75年で大きく前進したとは、言い難い現状がある。 能條さんは「これからの75年を考えたら、私たちの手でもっとフェアで、平等で、生きやすい社会を残したいという思いから、今回のプロジェクトを立ち上げた」と語る。 福田さんはこれまで、緊急避妊薬のアクセス向上をはじめ、性と生殖の健康に関する権利について声を上げてきた中で、やはり政治が変わらなければならないと強く感じてきたという。 「女性議員の比率は、地方議会だけでなく、国会も含め日本全体で増えていく必要があると思います。私たちの声を政治に反映させていくためには、やはり変化を起こしていく必要がある現状が、私たちの前に横たわっていると思います」 「FIFTYS PROJECT」は現在、運営資金を募るクラウドファンディングを実施している。個別相談会などに関する問い合わせは、プロジェクトのサイトから。
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January 16, 2023 · 1 min · 25 words · William Pace