豪華客船の悲劇をフィクションで再現したロマンス映画は、瞬く間に世界を席巻した。当時最高額である2億ドルの予算で作られた同作は、史上初めて10億ドル以上の興行収入を上げ、最終的には20億ドルを記録した。 日本でも、洋画では歴代1位の興行収入を保ち続ける名作だ。 監督のジェームズ・キャメロンは、2010年に『アバター』を制作し、約28億ドルの興行収入で『タイタニック』を上回った。 『タイタニック』は、経済的な成功や輝かしい受賞歴に加え、映画制作の観点からも歴史的に重要な作品だ。『ターミネーター2』のような大がかりな特殊効果を好むキャメロン監督は、氷山に衝突するタイタニック号の船内にいるような感覚を観客に与えたいと考えた。 実物大のタイタニック号の模型を作り、沈没しながら船尾が上昇するよう0度から90度まで動く甲板のセットまで用意し、デジタル効果を加えた。 海に沈みゆく船の内部のシーンでは、1700万ガロン(約6400万リットル)もの水が実際に使われた。 映画史に残る名作の貴重な撮影舞台裏を、写真で振り返る。

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