香取慎吾が、セカンドアルバム『東京SNG』をリリースした。 少年時代の思い出は? 毎日がつらい人は、どうしたらいい? 「運命」を感じた瞬間は? 収録曲にちなんだ質問の数々に、香取は時に熟考しながら、真摯に言葉を紡いでいく。 「つらいことがいっぱいあっても、生きなきゃいけないんです」――。
ドレスコードはないけれど
自分が客席で見たいショーになることは間違いない!っていうワクワクが募るばかりで。いつも自分のステージは自分でつくっていくんですけど、細かい詰めを全然してないのは初めてのことですね。 結構、細かいところを詰めるのが好きで、詰めて詰めて詰めて……ほら、素晴らしいでしょ?ってパターンは多いんだけど、もう(最初から)素晴らしい。 生のビッグバンドがいるショーってなかなか見られない。最初から最後まで、ずっと音楽を楽しんでもらえる時間になると思います。 ドレスコードはないですけど、少しオシャレをしてきてほしいかな。僕はタキシードで皆さんをお迎えするので。
小学生で六本木に
少年時代というと、もう東京なんですよね。小学生で仕事で六本木に通ってましたから。今思うとすごいですよね。 怖かったな。東京の人が怖かった。人混みとか速い流れとか。 ――小学生ですもんね。 怖かったけど、今や本当に大好きな場所だし。そうじゃなきゃ、いられないくらい。避暑地的なところで、ゆっくりするのが苦手で。 東京の次っていったら、ニューヨークのタイムズスクエアとかでぼーっとするのとか好き。人がせわしないのが落ち着くようになっちゃった。
こんがらがってしまった時は?
人を介さない。結構、それは多いです。直接、会いに行っちゃう。 今回、一緒に曲をつくってる人たちとも、「あちらがこう言ってる」「じゃあこう伝えて」「こう返ってきた」……無駄なキャッチボールをするなら、「じゃあ、もう行くわ!」みたいな。 だから最近だと、リモートは便利ですよね。 ――リモートも「会う」に入る? 会うに入ります。 ――伝言ゲームで変に変わっちゃったりするから、時には直接会うのも大事ですね。 そうなんです。
鏡の前で泣けてくる
つらいことがいっぱいあっても、生きなきゃいけないんですっていう感じかな。それには何か術を見いださないと。 「笑顔でいよう」と言われても笑顔になれなかったら、鏡の前で本当に笑ってみたり。笑った顔してる自分に「何やってんだ」と思って、また泣けてきたりもするんですけど……。 そんなんでもいいから、何かをやりながら生きなきゃいけないんですよね。 あとはね、明日が来るんですよ。それは僕、結構救われるかな。つらさや苦しさが、夜に襲ってきたりするじゃないですか。どん底の思いもするけど、明日が来たら、また違う人に「おはようございます」って言ってたりするから。 そこをちょっとわかっておくと、楽かもしれない。何があろうと、明日は来るし。 ――香取さんでも、鏡の前で無理やり笑って、やっぱり泣けてくる――みたいな経験あるんですか? あります、あります。ありますね。 あんまりイメージないかもしれないけど、この曲は今まで言ってこなかったようなことも含めて、皆さんと気持ちをひとつにしたいなって。 それにはヒグチアイさんだ、と思って彼女に頼みました。
稲垣・草彅との「運命」
それはやっぱり今、一緒にいることかな。5年くらい? もう結構、経ちましたよね。 あの時、みんなそれぞれの人生を話し合ったなかで、「一緒に何かやろうぜ」なんてことは言ってなくて。でも、話してると「あっ、同じような先を見たいんだな」っていう感じがした。 あの時も運命を感じたし、今も稲垣さん、草彅さんと一緒にいるのは運命ですね。 衣装:YOHJI YAMAMOTO /ヨウジヤマモト