過去の実験では、2歳児でも、条件が整えばベランダの柵くらいの高さを登ってしまうことができることも明らかになっている。 実験動画からは、ものの数秒で登ってしまう子どもの様子も。いったい、どう対策をすればいいのか。改めて、気をつけるべきポイントをまとめた。 子どもは、大人が思っている以上に、あっという間に高いところに登ることができる。また、頭が重たいために、バランスを崩して落下しやすい。

「30秒以内」に登る子どもたち

東京都などは2017年に2、4、6歳児を対象に「ベランダの手すりに関する検証実験」を実施。 建築基準法では、ベランダの柵の高さは110cm以上と定められているため、高さ110cmで、手すりや足がかりのパターンを複数用意し、実験した。 この結果、6歳児は足場なしでもほとんどの子どもが、4歳児は足がかり(65cm)がある場合は8割、ない場合でも半数ほどが登れた。 実験の動画からは、4、6歳児ではそれぞれ5秒、3秒あまりで柵を登っていく子もいることがわかる。その危険さが、一目瞭然だ。 また、2・4歳児では、笠木(手すりの手のかかる部分)が室内側を向いていると登りにくくなるなど、手すりや足がかりの高さや形状によって予防ができることも明らかになった。 NPO法人「Safe Kids Japan」も同様に、「子どもが柵を乗り越えにくくする実験」を実施。 先のものより10cm高い120cmの柵でおこなったところ、3歳児は65.7%、4歳児は72.5%、5歳児は90.2%が「30秒以内」に乗り越えられた。 3〜4歳児では柵の高さが130、140cmと高くなるほど登れる子は減ったが、5歳児では大きな変化はなく、高さ調整による抑止効果にも限界があることがわかったという。 死亡事故は「7〜8月」(13件)が最も多く、次に「5〜6月」(9件)「9月〜10」(7件)が続く。救急搬送件数で見ると、「9〜10月」(21件)が最も多く、次に「5〜6月」(19件)となる。 また、東京消防庁の救急搬送された件数を年齢別に見ると、4歳での事故が21件ともっとも多く、3歳(16件)、2歳(13件)と続く。

注意すべき6つのポイント

2.窓やベランダの手すり付近に、足がかりになるような物を置かないようにすること

子どもがよじ登ってしまう危険性がある。

3.窓、網戸、ベランダの手すり等に不具合がないか定期的に確認をすること

窓、網戸、ベランダの手すり等に不具合があると何かの拍子で壊れて子どもがケガをしてしまう可能性がある。

4. 子どもだけを家に残して外出しない

子どもが寝ていても、窓などの鍵を開け、ベランダから外の様子をのぞき込むかもしれない。

5. 窓を開けた部屋やベランダでは子どもだけで遊ばせない

ベランダで遊んでいる時に多く転落事故が発生。また、窓やベランダから家族などの見送りをするために、手すりによじ登り、 下をのぞき込んだりして転落してしまうことも。

6. 窓枠や出窓に座って遊んだり、窓や網戸に寄りかかったりさせない

兄弟姉妹で遊ぶときに幼児を出窓に座らせて転落し てしまった事例も。網戸が外れて転落する事例は幼児に限らず、7歳以上の児童でも発生している。 前出のNPO法人「Safe Kids Japan」は報告書で、「子どもの転落は保護者の見守りだけでは防げない」「転落は一瞬で起こる」と強調。 ベランダの手すりの仕組みや構造など、やはり環境改善による予防策の必要性を訴えている。 また、東京都も検証結果から柵の安全基準などに関する報告書をまとめている。

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